歌われるのは些細な幸せ
<HO~ほら行こうぜ>と高らかにアルバムの幕開けを告げるオープニングチューンは、皆様御存知の大ヒットシングル。シングルとして聴くのと、アルバムの1曲目として聴くのとでは、また違った味わいがありますね。
コミカルなベースフレーズを肝として、ワウを使ったカッティングギターやブラスサウンド、ハイハットが気持ちいいドラムによるゴージャスなサウンドは、さすがシングル!といった感じの力の入れ具合です。
そんなド派手なサウンドに乗せて歌われるのは、日常の些細な、本当に些細な幸せです。
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1番Aメロ
久しぶりだぜ ふるさとには
再来週
帰ろう (えろう!)
英会話スクール
入ったきり
いけてないぜ HAHAHAHAHA
特に用もないけどコンビニに寄っちゃうような自由、とりあえず英会話教室に入っちゃうような自由、んで全然行かない自由(笑)、そんななんでもないようなことでも、自分の自由にできちゃう幸せ。
そしてやっぱり<好きな人が優しかった>なんていう、本当に小さくて、でも本当に大きな幸せ。
こんな数々の普通に生活していると見過ごしてしまうような幸せを、J-POPのド真ん中で歌にしてくれています。
日常で機能する歌詞
個人的に一番好きなのはこの歌詞。
選挙の日って ウチじゃなぜか
投票行って 外食するんだ
アイドルソングの中に「選挙」なんてワードが出てくるのもおかしいですが、何よりこの歌詞の日常生活に与える影響力が凄いと思います。
敬虔なハロヲタの皆様方には、この曲を聴きながら投票に行って、そのまま外食する人が無数にいるのではないでしょうか。
いや、もはや「外食するために選挙に行く」という人がほとんどなのではないでしょうか。元SUPERCARのギタリスト・いしわたり淳治さんがよく使われる言葉ですが、“歌が日常の中で機能する”とはまさにこういうことですね。
ちなみに、同じ作用をもたらす類似楽曲として、℃-ute『Danceでバコーン!』の<帰りにうどん食べてくわ 明日が待ってるもん!>もありますね。ハロプロのライブ終わりは、うどんで決まりっしょ。
またこの選挙フレーズが、2番の<多数決じゃ 決めらんないのは 恋愛のエトセトラ>という歌詞にもかかっている部分もニクイっす。
ちなみに、ハロプロ好きで知られるマツコ・デラックスさんは、<デリバリピザ いつも悩む LかMか ピザ>がお気に入りとのことです。
マツコは「日本人全員、デリバリーのピザ頼むときにLサイズにしようか、Mサイズにしょうか悩むのよ」と熱弁。ヒャダインもマツコに共感しつつ「ブロックごとにぶつけてくるんですよね」「でもそれが、幸せってこういうことなのかな、みたいな」と、つんく♂の歌詞を分析していた。
2サビ終わりの石川梨華によるキュートなセリフでちょろいドルヲタをキュンキュンさせ、その後の間奏パートではリズムにアクセントを付けて、しっかりと飽きさせないように工夫をするなど、丁寧なアレンジは見事。
度々挟み込まれる<HO~ほら行こうぜ そうだみんな行こうぜ>パートは、リフの代わりをしているかのように機能し、このパートに戻ってくることによる安心感、そして繰り返されることによる陶酔感を作り出しています。
終わると思わせてなかなか終わらないラストのおふざけパートも最高ですね。こんなバカバカしいアレンジができる自由も、“幸せ”なんじゃないでしょうか。
『ザ☆ピ~ス!』の名に恥じない幸福感満載の名曲であり、これから始まるアルバムの雰囲気を予感させる1曲目になっています。
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