より身近な“幸せ”の物語
ここまでの3曲では、わりと大きな世界観の楽曲を歌ってきました。ここからの2曲は、より身近な1対1の世界での楽曲が続きます。
小さな恋の歌、1曲目は『初めてのロックコンサート』。
バンドで音楽を好きになり、気づいたらアイドル好きになってたみたいな私のような人間からすると、タイトルや曲中に「ロック」って入っているだけでニヤリとしてしまうんです。
さて、このタイトルからどんなロックチューンを聴かせてくれるのかと思ったら、まさかのセリフッ!!
そして、まさかのストリングスッ!!!!!
続いてウィンドチャイムが「シャラ~ン」と美しく響き、様々な音色が足されていって、「ピョンピョン」みたいな変なビートも入ってきて、、、、、
ロックは???????
と、想像を裏切るアレンジに驚きましたが、ストリングスが印象的なR&B風のトラックもカッコいいから良しとしましょう。
行き先はロックコンサート
1番Aメロ
小さな形でいいわ
何かで表さないと…
不安が今日も一つ
心でまた増えた
小川麻琴による棒読みセリフからAメロへ。
最後の3文字にアクセントが付くように作られたビート。メロディ、歌声ともに不穏な空気が漂う中で綴られるのは、焦りや不安が感じられる心理描写です。
主人公の独白的な体裁で綴られる本楽曲の構成は、下記のようになっています。
セリフ → Aメロ → Bメロ → サビ →
セリフ → 2Aメロ →2Bメロ → 2サビ →
3Bメロ → 3サビ → 4サビ → セリフ
セリフを抜けば構成自体は王道のJ-POPですが、一方で同じ歌詞を繰り返すサビはありません。
1曲を通して聴くことで一つの物語になっています。
重苦しい曲調の中、サビの開放感はとても印象的ですが、これはメロディによるものだけではなく、物語が進行するのが「サビのみ」である点も影響を与えていると思います。
セリフ・Aメロ・Bメロは、全て心理描写。
サビで初めて物語が動くのです。
2番サビ
初めてデートらしい
お出かけした夜は
私の知らないコンサート
ロックのコンサート
初デートで、相手は知らない自分の好きなバンドのコンサートに連れて行くというかなりアレな男ですが、主人公は大好きみたいですね。
その帰り道にめでたく結ばれたみたいです。
おめでと。
時系列の謎
私の読解力がないのか、この物語の時系列が分からないんですよ。
特に難しいのが1番サビのこの部分。
公園に呼ばれて
少し覚悟をした
初めて心を打ち明けた
その日の夜だった
告白したタイミングがいつなのか確定できないんですよ。
①「公園に呼ばれた日の日中」説
日中に告白して、その日の夜に公園に呼ばれる。返事をくれると思って覚悟をした。
②「呼ばれた公園」説
公園に呼ばれたので告白しようと覚悟を決めた。以降の歌詞が「その日の夜」の話。
どちらだとしても整合性は取れていると思うんですよね。
②説の場合は、告白した「その日の夜」にそのままロックのコンサートに連れて行かれた流れになります。対して①説の場合だと、ロックのコンサートに行ったのがいつのことなのか分からないんですよね。②説と同じで、そのままコンサート行く流れもなくはないのか。
う~ん。
そこで、こんな妄想もいいんじゃないかという第③の説を提唱したいのです。
③ 全部「夢」説
歌詞の出来事、すべてが夢の話。
夢ってぼやっとしてるし、断片的で時間軸とかめちゃくちゃになるじゃないですか。
神秘的なアレンジも、コーラス多めで幻想的な雰囲気も、「夢」の世界を表しているとするとしっくりきませんか?
3Bメロ
夢じゃない
夢じゃない
夢じゃない
<夢じゃない>と3回も繰り返しているところが、逆にあやしい。夢の中で夢だと気づかない感じみたいな。
最後の「…うん」の次の瞬間、目が覚めるんですよ。
な~んて解釈も面白いんじゃないかなーと!
解釈なんて人それぞれで、好きな解釈で楽しめばいいですよね!
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