モーニング娘。「Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~」が広げたJ-POPの可能性

モーニング娘。「Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~」が広げたJ-POPの可能性

J-POPのど真ん中でビッグバンド

 

3曲目は、皆さんご存知『Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~』です…

 

と思いきや、冒頭に約3分にも及ぶ寸劇が加えられたアルバムver.でございます。

 

「いるか?これ」派の人も多数いて賛否分かれると思いますが、個人的にはこういったおふざけパート大好きです。

 

だってハロヲタ友達とパスタ食いながら「このビーフン、とってもデリシャスw」「あちゃ~、あんたそれはパスタwwwwww」とか糞つまらないくだりやりたいじゃないっすか~!

 

俺だけ???

 

しかも、この糞長い寸劇を経た(耐えた)あと、ボリュームが上がった後のイントロのギターストローク「ジャラ~ン」のカタルシス堪らないじゃないっすか!

 

よって私は寸劇大賛成です。

 

曲調は、タイトルにもある通り「ビックバンド」です。

 

全盛期の潤沢な予算(笑)を想像させる生演奏によるリッチなサウンドがめちゃめちゃカッコいいですね。つんく♂先生曰く「ダンスロカビリービックバンド曲」とのこと。

 

この曲は、まずベーシックのリズムトラックをオール生バンドで演奏したものをレコーディングし、その後、間奏などに生演奏をエディットしたものと打ち込んだリズムを足したパートを作り、それから生のビッグバンドを投入しました。こうしてかっちょいい21世紀型のダンスロカビリービッグバンド曲が完成しました。

www.tsunku.net

 

通常はインスト(歌なし)で演奏されるビッグバンドを、J-POPのど真ん中で、しっかりとポップソングとして落とし込み、しかも今をときめくアイドルが歌うという偉業。

 

そして何より、ちゃんとヒットさせるという偉&業。

 

つんく♂…恐ろしい子…

 

 「ロカビリー」ということで歌唱法もロカビリーの定番である、語尾を上げて歌う「ヒーカップ唱法(しゃくり唱法)」が取り入れられています。

 

「愛」について考えてみた

 

歌い出しから<愛をください…>とあるように、テーマは「愛」です。

 

「愛」といっても恋人同士の2者間の恋愛ではなく、「愛」という概念を俯瞰して歌っているようなイメージです。

 

1番Bメロ

OH! 恋人なら 24時間
AH ピタッと ピタッと くっ付きたい
BUT! それではLADY 仕事にならん
恋は まるで 各駅停車
急に ドカンって 進まない!

 

「24時間一緒にいたい!」というよくある表現を「いや、それじゃ仕事にならないから」と返すセンスがいかにもつんく♂。恋を「各駅停車」で例えるところもバカバカしいですが、その通りだなぁと納得してしまうちょうど良さ。

 

これ書きながら今知ったんですけど、「各停女子」なんて単語が話題だったんですね。

 

つんく♂の先見の明…。

 

1番サビ2

そして 絶え間なく 笑顔に満ちて
なんとなく 幸せな日々
作ろう 僕たちの 力で

 

この「なんとなく」って部分がいいですよね。

 

「超幸せ!」って感じだと、なんだか一過性なイメージがありますが、「なんとなく幸せ」ってゆるいけどずっと続いていきそうな雰囲気になりませんか?

 

そして、そんな幸せを「待つ」のではなく「僕たちの力で作っていこう!」というのがまたポジティブで熱くていいです。

 

キレイにメロディーに乗っているんで見逃しがちですが、しっかり歌詞を読んでみると実に味わい深いフレーズですね。

 

この曲が大ヒットして、日本中で歌われていたなんて幸せな光景じゃないですか。

 

あと、個人的にこの曲の好きなポイントは<恋は 時に 急ブレーキ!>の、歌い方・アレンジの急ブレーキ感です。

 

次の曲:初めてのロックコンサート

 

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