バンド好きならPASSPO☆聴こうぜ ~ロックでキュートな楽曲選③~

バンド好きならPASSPO☆聴こうぜ ~ロックでキュートな楽曲選③~

 

まだまだ足りない

画像出典:“バンド版”PASSPO☆、担当楽器発表 新ビジュアルも公開

 

ということで、最高のロックアイドル・PASSPO☆の紹介第3弾だ。

 

やっぱり今振り返ってもアイドル界で独自の音楽を、独自の活動をしていたグループだったと思う。

だって最終的に自分たちで演奏しだしたからね。賛否はあれど。

でもこのBAND PASSPO☆の活動によって、彼女たちは本当の“ロックアイドル”の称号を手にしたと思う。自分たちの楽曲に対する理解も格段に深まったはずだ。

 

ということで、引き続き楽曲紹介に参りましょう。

 

STEP&GO

 

本楽曲の主役は、メロディでもギターでも歌詞でもない。

 

ドラムだ

 

簡単なフレーズながらポップでキャッチーなリフ?

分かる。ブリッジミュートが格好いいバッキングだって、ギターソロだって最高だ。でも一旦置いといて欲しい。

ポジティブで勇気をもらえる歌詞?

分かる。<STEP&GO>のフレーズだって1回聴くだけで覚えられるし、PASSPO☆らしく<エアライン>なんて単語が組み込まれているサビは最高だ。でも一旦置いといて欲しい。

金がかかってるのかかかってないのかよく分からないMV?

分かる。まこっちゃんは可愛いし、まこっちゃんは可愛いし、まこっちゃんは可愛い。でも一旦置いといて欲しい。

 

ドラムなのだ。本楽曲はとりあえずドラムを追って聴いて欲しい

とにかく手数は多いし、ハイハットだってアクセントとして絶妙なタイミングで入れてくるし、とにかく「暴れている」という表現が正しい

 

特に素晴らしいのがBメロとサビだ。普通の8ビートなんて全然叩かず、緩急つけまくり、パターン変えまくり、フィルインみたいなフレーズを歌の裏で入れまくっている。マジで格好いいっす。

 

それでいてしっかりと楽曲を牽引し、サビをサビたらしめるキャッチーさのお膳立てをリズムで行っているのだ。

 

皆の衆、ドラムだ。ドラムを聴くのだ。

 

無題

 

日本のメロコア界でも最も美しいメロディを奏でるロックバンド・HAWAIIAN6のギターボーカル・安野勇太さん作詞作曲による提供曲『無題』。

 

その魅力を言葉にしようとしたが、本楽曲に限ってはそれはとても無粋なことのように思えた。なので、心を撃ち抜かれた歌詞を並べて終わりにしようと思う。

 

PASSPO☆楽曲で、私が一番好きな曲だ

 

わけもなくただ叫んだ
バカヤローって言った
空には虹が出て綺麗だ
世界は広いなぁ

間違えても構わない
間違いでも気にしない
溢れ出す気持ちに 名前はいらない
ただ走りたいんだ ただ走っていたいんだ
溢れ出す未来に 名前なんていらない

夢を追いかけるために資格なんていらない
私たちの人生に名前なんてない
世界中の音楽にジャンルなんていらない
歌ってるこの曲に題名はいらない

 

「I」

 

『Dear My Friends』『無題』と並ぶ、PASSPO☆三大2ビートソング(勝手に命名)のラストを飾るのが本楽曲だ。

 

デビュー年である<2009年からあっという間のEveryday>という歌詞もあるように、PASSPO☆自身を歌った楽曲となっているが、特に歌い出しを務める“槙田紗子さんの歌”という印象が強い

 

グループ内のユニットで『Born this うぇ~い』なんていう糞ふざけた(褒め言葉)アルバムを出しているように、メンバー全体的にテンションが高くアゲアゲなイメージがあるPASSPO☆において、槙田紗子さんは比較的控えめでおとなしいキャラクターだった。

 

本楽曲には、そんな彼女を投影したような歌詞が並んでいる。

STAY GOLD
ヒロインじゃなくても
きっと輝ける「私」を見つけて
My Own road

 

でも本楽曲が多くのパッセンジャーに愛されているのは、そんな彼女に自分を投影しているからだ

アイドルという立場だからこその歌詞ではなく、どんな環境で生きていても、同様の感情を抱えているすべての人に刺さる歌詞であり、そんな歌詞をステージで目一杯輝く彼女が歌う姿を見て、自分自身が鼓舞されていたからだ。

 

そんな楽曲だからこそ、冒頭、まるで祝福をするようなサウンドに乗せて上記歌詞が歌われるのは必然なのだ。

 

光りが当たらない日も
あなたの声をたどって
もうちょっとだけ胸はって生きよう

 

自分の名前を叫ぶファンの歓声か、愛する人の呼び声か。

そんなかけがえのない人の声が、<もうちょっとだけ>胸をはる勇気をくれるのだ。

 

TRACKS

 

2015年1月1日。あの日あの場所でこの曲を聴けたことを誇りに思う。

 

奥仲麻琴さんの卒業を記念して作られた本楽曲は、卒業を“悲しい出来事”と捉えず、“未来へのスタート”とポジティブに捉えた笑って泣ける大切な1曲だ

 

新たな門出を祝うようなストリングスに彩られた爽やかなロックサウンド。作詞作曲はもちろん、結成時からPASSPO☆楽曲を制作し、最も近いところで彼女たちを見ていたペンネとアラビアータ機長こと阿久津健太郎さんだ。

 

風の中でも 嵐の中でも
僕たちは今 未来を歩いてる
「さよなら」「ありがとう」
その言葉を抱いて

 

今は、奥仲麻琴さんとの別れかもしれない。でもきっと、この先の人生でもっと多くの別れと出会うのだろう。

それは立ち止まらずに歩いているからであり、そんなタイミングの折々に必要なのは「感謝」なのだ。“別れ”のタイミングで“出逢い”に感謝することができれば、きっとまた逢える気がする。そう思うのだ。

 

楽曲の終盤、未来を照らすようなギターソロに導かれ、このパートは卒業する奥仲麻琴さんのソロ歌唱で少し変えた歌詞で歌われる。

風の中でも 嵐の中でも
僕たちは今 未来を歩いてる
「だいすき」「ありがとう」
愛に支えられて

 

メンバーカラーのピンクのサイリウムで満開の会場。涙をこらえながら絞り出すように、それでも笑顔で歌おうとするまこっちゃん。

会場全員がサビの振り付け、応援団が“エール”を送る際の動きをオマージュした振り付けを踊る。

 

2015年1月1日。あの日あの場所でしか生まれなかった光景だ

 

私はあの光景の一員となった時に覚えたあの感情を、本楽曲を聴くたびに思い出し、自分の力に変えて未来を歩いていくのだ。

 

Perfect Sky

 

BiSHが“楽器を持たないパンクバンド”だとしたら、PASSPO☆は“楽器を持ったロックアイドル”だった。

 

本楽曲『Perfect Sky』をキッカケに、彼女たちはバンドとしても活動を始め、フライト(ライブ)ではバンドパートも設けられるようになった。

そんなBAND PASSPO☆初披露時の映像も残されている。ミスタッチだってある完璧とは言えない演奏だが、彼女たちはこの日、確実に以前よりも“音楽”に近づいた

 

そんな新たな始まりに連動して、本楽曲も始まりを歌っている

I don’t wanna cry
はじまりを 何度でも唄うから
満たされることない想いを追い続けるのさ

 

新しいことに挑戦するのはとても勇気のいることだ。まして積み重ねてきたものがある場合には、より覚悟が必要になる。

その先にはきっと失敗や挫折が待っているだろう。それもきっと1度や2度じゃない。その度に心が折れそうになり、投げ出してしまいたくなるはずだ。

 

そんな時に、この曲は響く。

だって、はじまりを「何度でも」唄ってくれるからだ。失敗の度に、PASSPO☆は唄って奏でてくれるからだ。

 

PASSPO☆は、アイドル界において十分な人気を獲得していたし、パフォーマンスだって評価されていた。それでも、現状に甘えずに結成当初からの夢であったバンドに挑戦した。

PASSPO☆自身が、曲と活動で“はじまり”を見せてくれたのだ

 

森詩織さんのいつものパワフルな歌声とは違う、マイナスな感情を浄化するような澄んだ歌声が心を奮い立たせてくれる。

I don’t wanna cry
いくつもの 分かれ道
やり直すことが出来るから
答えを急ぐことないね

 

これから先の人生で、何度でもこの曲が<まだ“途中”だって>私に気づかせてくれるのだろう。

 

終わりに

これまでの紹介記事の中でもロック要素が強い曲が集まった記事になった。

 

やっぱりPASSPO☆は2ビートが似合う。

 

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