モーニング娘。「そうだ! We’re ALIVE」はROCK史に輝くアンセムだ

モーニング娘。「そうだ! We’re ALIVE」はROCK史に輝くアンセムだ

アイドルソングの“自由さ”盛り盛り

 

本アルバムのハイライトの一つでモーニング娘。史、いやJ-POP史に残る名曲である『そうだ! We’re ALIVE』がここで登場します。

 

アーティストの人気が上がると、ライブ会場もライブハウス→ホール→アリーナ→ドーム→スタジアムと大きくなっていきます。これに伴い、楽曲のスケール感も大きな会場でオーディエンス全員で一体感を作り出せるようなテイストにシフトしていきます。

 

本楽曲は2002年に発売されたシングルであり、黄金期モーニング娘。の『LOVEマシーン』から始まるファンキー路線集大成です。アリーナ以上の箱での披露を想定したスケール感のある楽曲に仕上がっています。

 

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リフフレーズ

努力 未来 A BEAUTIFUL STAR
努力 Ah Ha A BEAUTIFUL STAR
努力 前進 A BEAUTIFUL STAR
努力 平和 A BEAUTIFUL STAR

 

ハードロックのような乾いたスネアに先導され、拳を突き上げながら歌われるシンガロングフレーズ。スタジアムで観客全員が一体となっている映像が浮かびます。

 

この4フレーズだけで、ハロプロ楽曲を全て言い表すことができるのではないかと思うほど、つんく♂の願いが集約されています。

 

そして、『LOVEマシーン』『恋のダンスサイト』『ザ☆ピ~ス!』『恋愛レボリューション21』を編曲した、モーニング娘。大ブレイクの立役者・ダンス☆マン入魂の怒涛のファンキーパートに突入。

「ハ・ヒ・ホ!」という謎の掛け声と共に、耳から離れないグルーヴィーなベースフレーズが踊らせます。

 

ダンス☆マンといえば、俺たちの兄貴・中島卓偉さんのインタビューで面白い表現がされていました。

ご本人が言っていましたけど、ダンス☆マンさんってつんく♂さんに会う前は「世の中のミュージシャン全員、ベースでブン殴ってやろう」とか考えていたような方なんです。だって自分は本物のR&Bや本物のブラックミュージックをやっているという自負があるわけですから。言ってみれば、黒人になりたくてなりたくて仕方なかったような人生ですよ。

entamenext.com

 

そんなブラックミュージックの鬼によるアレンジで、ノリノリになれない訳がないじゃないですか。

 

そんなトラックに負けじと、メンバーの歌唱も実にファンキー。さすが、ここまでリズムの鬼・つんく♂指導のもとダンス☆マンアレンジの楽曲を歌いこなしてきた方々です。

 

「キャモン ナ!」ですよ。

 

「カモン!」じゃだめなんですよ。

 

 

 

「キャモン ナ!」じゃなきゃハロプロじゃないですよ

 

1番Bメロ

アイドル リーマン ギャル子 ギャル男君
父ちゃんも母ちゃんもみんなみんな
オギャーっとこの世に生まれた時は
丸裸さ GO! GO! GO! GO!

 

THE YELLOW MONKEYは、代表曲『JAM』で、<あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も みんな昔子供だってね>と歌いました。

 

「人間」という存在を俯瞰して見たときに、イエモンの色で歌うとこのようになりますが、つんく♂の色を通してアイドルが歌うと、この通りバカバカしくも真理を付くようなフレーズとなります。

 

サビ

幸せになりたい あなたを守ってあげたい
本当の気持ちはきっと伝わるはず
GO! GO! GO! GO!
We’re ALIVE

 

リフフレーズを挟んで期待感を煽り、満を持して登場する激爽やかなサビ。「幸せ(しあわせ)」ではなく、「幸せ(しやわせ)」と歌わせるだけで、一気に曲に“若者感”が出て面白いです。

 

歌われる世界観は、1曲目の『ザ☆ピ~ス!』と同じく“幸せ”、そして“生きる”ということ。

 

愛する人に「守られる」幸せではなく、愛する人を「守る」ことの幸せを歌っています。

 

この主人公は、今は「守られる」だけなのかもしれません。もう一歩先の<幸せになりたい>ので、次は自分が相手を「守る」ために踏み出したいのかもしれません。そんな妄想をしてしまいますね。

 

「気持ちは伝わるよ!」という応援ソングは、世の中に無数にあります。でも、実際に伝わるのは、<本当の気持ち>だけなのだということも、このサビでは教えてくれています。

 

サビに辿り着くまでに、様々な形で“人間”というものを歌ってきたからこそ、よりこのサビが心に響く仕掛けになっています。

 

遊び心満載の2番

引き続きファンキーに進行していく2番ですが、1番の3倍は繰り返される<BOOM BOOM PUMP IT UP><YEAH YEAH PUMP IT UP>や、ラスサビ前に突如なんの脈絡もなくぶち込まれるロシア民謡・カリンカなどアイドルソングでしか許されないような意味不明なおふざけパートが最高ですね。

 

「このBOOM BOOMのとこ、もう2小節伸ばしちゃいましょw」とか「ここにカリンカ入れたらオモロくないっすかww」とかとか、作り手側が大笑いしながらアレンジしている様子が目に浮かぶようです。

 

恋することに奔走している10代も、いい音楽を作るために試行錯誤するおっさんも、みんな<We’re ALIVE SO 生きている>んですよね。

 

 

そんなことを考えながら聴くと、ラストのこのフレーズがグッとくる名曲中の名曲でした。

 

 

幸せになりたい 愛情で包んであげたい
いくつになっても WOW 青春だよ
GO! GO! GO! GO!
We’re ALIVE

 

次の曲:でっかい宇宙に愛がある

 

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