福原遥「箱庭のサマー」で子供は踊る

福原遥「箱庭のサマー」で子供は踊る

福原遥「箱庭のサマー」

 

NHKの子供向け料理番組で「まいんちゃん」として一部の大きなお友達を中心に一世を風靡した彼女。

 

今や立派な女性に成長し、CMにドラマに声優にモデルにと各方面で大活躍。もはや「まいんちゃん」より「福原遥」の方が有名になりつつある。大きなお友達の一人としては、嬉しくもあり少し寂しくもある今日この頃である。

 

その透明感のある声質を活かして、2019年に福原遥として歌手活動も開始。これまでも歌手活動は行っていたが、それはあくまでも「まいんちゃん」としての活動であり、キャラクターを外した「福原遥」としてはこのタイミングでのデビューとなる。

 

本作はデビューシングル『未完成な光たち』のカップリングに収録されている楽曲だ。こっちの曲の方がが好きだからMVもないけどこっちを紹介するのだ。

 

心に閉じ込めたある夏の思い出を「箱庭」とオシャレに表現し、ピッチカートのようにハネた音色が印象的な清涼感あるトラックの上を瑞々しい歌が跳ねるサマーチューン。鈴の音色が緑豊かな田舎の夏の景色を思い起こさせ、全体を通しとても爽やかな雰囲気に仕立てられている。

 

楽曲の構成としてはEDMの定番を踏襲する、ブレイクダウン→ビルドアップ→ドロップといった構成になっているが、あくまでも要素として使用されており、ドロップで盛り上がるだけのEDMではなく、しっかりとしたサビを持つJ-POPとして作られている。

 

また、ドロップ部分もパリピが踊り狂うようなイメージではなく、田舎で子どもたちが水鉄砲でも持ってはしゃぎ回っているようなイメージが浮かぶのは、サビメロと同じヨナ抜き音階の日本的メロディーが奏でられているからだろう。

 

一方で、2度目のドロップでは歌詞に合わせて不安定で奇妙な音色が使われている。

夏の終わりを告げるように
ふたりの目にうつる花火
ぎこちない時間と
胸をちくりと刺した針

 

キレイなだけで終わらないのが夏であり、この楽曲の魅力でもあるのだ。

 

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