モーニング娘。「好きな先輩」が紡ぐ歴史(感想・レビュー)

モーニング娘。「好きな先輩」が紡ぐ歴史(感想・レビュー)

歌と歴史とメンバーと

20年の歴史を持つモーニング娘。の中でも「歌い継がれる」という言葉が最も似合う楽曲は、実はこの曲なのではないでしょうか。

 

なぜなら本楽曲『好きな先輩』は、新メンバーが加入後初めて参加したツアーにて、新メンバーのみで代々歌われる楽曲であり、彼女達によって作られる新しいモーニング娘。の未来に想いを馳せることができる重要な楽曲だからです。

 

また私は、本楽曲が存在しなかったら後のBerryz工房・°C-uteも存在しなかったのではないか、とさえ思ってしまいます。

 

数あるつんく♂の真骨頂の1つに「小中学生の恋愛ソング」があると思います。

 

つんく♂の内に住む思春期女子が暴れ出した結果、初期Berryz工房やスマイレージでは『さぼり』や『ぁまのじゃく』といった甘酸っぱさにぶち殺されるような名曲を量産してきました。

 

そのきっかけとなったのが本楽曲なのではないかと思っています。

 

本アルバム発売前のモーニング娘。は、『抱いてHOLD ON ME ! 』や『Memory 青春の光』のようなアダルトな楽曲や、『LOVEマシーン』や『恋のダンスサイト』などのパーティチューンが中心であり、AKB48に代表されるアイドルソングの定番「思春期の恋愛」をテーマとした楽曲はありませんでした。

 

そんな状況で投下されたのが本楽曲です。

 

歌っているのは、当時の新メンバーである高橋愛・新垣里沙・紺野あさ美・小川麻琴の5期メンバー4人。

 

ドルヲタ心を鷲掴みにする< 先輩! >の一言から始まり、美しいアルペジオが遥か昔の青春時代にタイムスリップさせます。

 

ライブでは、Aメロ直前の振付に合わせて「ジャンケンポン!」と叫ぶと幸せになれますね。

 

歌詞は、憧れの先輩を想う思春期女子の気持ちを歌っていると見せかけて、<歌が好きな私って> <ねぇ もっともっと下さいな 愛のこもったエールを>など、随所にモーニング娘。新メンバーとしての彼女達とリンクするフレーズを散りばめるニクい仕上がり。

 

そうなんです、この曲、つんく♂の愛で溢れているんです。

 

私はこの曲を、アイドル&ハロプロ教育ソングであると思っています。

 

まずはAメロ。単純な4つ打ちではなく「ダダダッ ダダッ」と変則的なビートの上での歌唱を要求されます。「簡単な歌なんて歌わせへんで~」と笑うつんく♂が浮かんできます。

 

そしてBメロ。シャカシャカと刻まれるのはハロプロの代名詞・16ビート。「ほら!これが16ビートや。しっかり体に刻むんやで~」というつんく♂のメッセージが込められているような気さえしてきますね。

 

1番サビ

今日の私 美人ですか
自身持って 電話していいですか
今日の私 色っぽいすか
まっすぐに 打ち明けて平気ですか 先輩

 

後の『まじですかスカ!』に通じる「語尾すか」ソング。つんくの性癖かな。

 

歌割りに愛を感じますね。

 

<今日の私>まではユニゾン歌唱。<美人ですか>からはソロ歌唱になります。これは明らかに、ソロ歌唱メンバーに対するコールを入れやすいように作られています。

 

「コール貰うのって気持ちいいやろ?」「アイドルって楽しいやろ?」なんて声が聞こえてきそうです。

 

1番から2番へのブリッジ。チョーキングから入るギターソロが本当に気持ちいですね。チョーキングってなんでこんなに心を掻きむしるのでしょうか。どこかの大学教授が研究とかしてないかな。

 

2番サビ

今日の私 元気ですか
声に出して笑っちゃってもいいですか
今日の私 なまってるっすか
個性的な 女とか好きですか 先輩

 

先輩への問いかけという形にしていますが、こちらもつんく♂からのメッセージを感じます。「女の子だからって慎ましくなんてする必要ないんやで!」「なまってたってかまへんかまへん!個性を磨いていくんやで!」ってな感じですかね。

 

ラストは<LA LA LA…>で会場と一つになります。

 

ライブの楽しさ、醍醐味の教育ですね。

 

っとまあこんな感じで、歌詞にアレンジにと全てにつんく♂の愛が込められています。一見恋愛ソングと思いきや、紐解いていくと実に胸を打つ応援ソングになっているではありませんか。

 

そして、この歌を新メンバーが歌い継いでいくというドラマ。

 

この曲があることで、モーニング娘。の未来を信じられる。

 

な~んて思ってしまう名曲です。

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画像出典:モーニング娘。12期メンバー オーディション、つんく♂が求める新メンバー像とは!?

 

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