モーニング娘。「電車の二人」の終着駅は…

モーニング娘。「電車の二人」の終着駅は…

動いているのは○○だけ

 

『いきまっしょい!』で疾走して空っぽになった脳内に降り注ぎ、別世界へ連れて行ってしまうような不思議なフレーズが導くのは、なんと電車の中。

 

この異国情緒あふれるアレンジで電車内の歌を歌うなんて、どうかしてますね。

 

1番Aメロ

電車の中で 二人 微妙な感じ
思い全部 話したら 終わっちゃいそう

 

1番Bメロ

華やかに咲いてる お花達みたく
ぱっと咲いて散ってもいいわ
叶うなら

 

1番サビ

優しい時間をあなたは持ってる
こだわってる夢を あなたは持ってる
もうちょっと もうちょっと 近づきたい
もうちょっと もうちょっと 近づきたい

 

1番の歌詞をすべて記載してみました。

 

具体的な描写は「電車」のみで、その他の歌詞はとても抽象的なものになっています。

 

画像出典:富士急行線で「モーニング娘。’14」特別列車運転

 

『ザ☆ピ~ス! 』では「選挙」や「ピザ」、『Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~』でも「ハンバーグ」など具体的な名詞を組み込むことで、一気に我々の生活に落とし込む手法がつんく♂の専売特許なのに、本楽曲ではその技が使われていませんね。

 

つんく♂という作家の引き出しの多さが垣間見れます。

 

本アルバムの中でも一癖ある本楽曲ですが、私はより楽しむための鍵となる言葉を「時間」だと考えています。

 

< 優しい時間をあなたは持ってる >

 

< 友情の時間は もう これくらいにしたい >

 

< 純粋な時間を あなたは知ってる >

 

上記のように、「時間」という単語が多く登場するこの曲。なぜなんでしょうか。

 

私は、主人公の“焦り”を表現しているのだと妄想します。

 

主人公は相手のことを強く想っていますが、どうもうまくいっていません。そんな状況に対する焦りが<ぱっと咲いて散ってもいいわ 叶うなら>と思うほどの感情を抱かせています。

 

この焦りをより伝えやすくするシチュエーションが「電車」です。

 

「電車」と「時間」って、なんだか密接に関わっているような気がしませんか。だって決められた「時間」に合わせてやってくるものですよね、電車って。

また、この二人が電車に乗っているということは、いずれ「時間」が来るとどちらかが降りていってしまいますよね。

 

やっぱり主人公は「時間」の経過を恐れて焦っているのです。

 

主人公の感情を「電車」というツールを使うことで、より効果的に表現しているニクイ曲なんですね。

 

ラストサビ

Ah ずっと Ah ずっと
このままで
Ah ずっと Ah ずっと 未来まで

 

ずっと二人でいることを望む主人公ですが、無常にも「時間」は進みます。当然、電車も前へ前へと進み、二人が離れる駅へと向かいます。

 

 止まっているのは、二人の関係だけなんですね。

 

くぅ~~、切ない…。

 

次の曲:本気で熱いテーマソング

 

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