lyrical school「LAST DANCE」とバランス感覚

lyrical school「LAST DANCE」とバランス感覚

lyrical school「LAST DANCE」

 

2019年アイドル楽曲大賞メジャーアイドル部門」堂々の第2を獲得したのが、NO.1アイドルラップグループ・lyrical schoolによる『LAST DANCE』だ。

 

アイドルだからって舐めてはいけない。

 

サビに歌を乗せずに楽器のメロディだけを奏でるいわゆる音サビは、最小限の音数でしっかりと踊らせる。またチルいビートのダンストラック、<月明かりのなか>3連から進化した2文字で止めるフロウ、そして<NO CAP>という近年のよく使われているスラングに、ドク、マーティー、ムーンウォークといった固有名詞の多用。

 

完璧にヒップホップのマナーに則った、ゴリッゴリのヒップホップソングだということが分かるだろう。

 

しかし一方でアイドルソングとしての側面も忘れず、さらりと恋愛要素を入れてくる手腕はさすが。可愛い歌声とも相まって、しっかりとキモオタをキュンとさせる。

 

カッコいいところは最高に格好良く、可愛いところは最高な愛嬌で魅了する、この2軸を絶妙なバランスで表現しているからこそ、リリスクはNO.1アイドルラップグループなのだ。

 

また音サビ曲かと思いきや、溜めて溜めてちゃんとサビが来た時のカタルシスはたまらない。これまで通り次のバースが来るのかと思わせてからのサビだ。サビ頭の音を抜いていることで、より印象的なサビにしているところもニクい。

 

楽曲大賞2位の名に恥じない、2019年を代表するアイドルソングだ。

 

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