気になるアイドルソング Part.1(富士葵・吉川友・Jewel)

気になるアイドルソング Part.1(富士葵・吉川友・Jewel)

エールアンドエール/富士葵

その応援で 応援で
わたしの「弱い」が「強さ」になって
届けて 届いて ここにいるから

 

 

Spotifyでアイドル系のプレイリストをシャッフルしていたら飛び込んできた本楽曲。

 

イントロの3・3・7拍子から裏打ちスチャスチャで爽やかなギター。抑揚をつけた歌唱にセリフまで交えながら、サビ前ではコール・アンド・レスポンスをぶち込む。そしてサビでは「ハイ!」とみんなで盛り上がれるというキャッチーさのお手本のような曲が、まさかVTuberの楽曲だったとは…。

 

「アイドルソング」という括りが正しいのかは謎だが、まぁいいっしょ。ね。

 

2017年から『君の心の応援団長』をコンセプトに活動している富士葵。Jリーグ・清水エスパルスの公式サポーターになったり、アニソンフェスに参加したりと多方面で活躍している様子。VTuberの知識は全くなかったが、楽曲制作陣はちゃんと良い音楽を作っていて、虚像と分かっていながらもファンはその存在から元気を貰っている。(ぜひ動画コメント欄を見てほしい)

 

VTuberだからこそ歌えるような、こんな歌詞もある。

空間は違えど どっかでおんなじな
このハートと そのハートを

 

もちろん現実世界には存在しないため、我々とは生きる「空間」が違うVTuber。そんな彼女たちとのリンクを感じられるこの歌詞はなんだかグッと来る。「空間」が違うと言えばアニメのキャラソンでも同様のことが言えるかもしれないが、キャラソンの場合はあくまでも“キャラとしての楽曲”であるため、本歌詞のようなメタ的な視点では描けない。

 

そのため、現実世界と絶妙にリンクしているVTuberだからこそ歌える歌詞と言えるのではないだろうか。

 

今後もVTuberだからこそ歌える楽曲、VTuberだからこそできるライブを作っていって欲しい。これは要チェックだ。

 

 

暁 -yoake-/吉川友

氷の溶けたグラスで飲み続けた
君の言葉の端にある距離と
走り去る足音を消すようにまた笑って

 

 

圧倒的な歌唱力と特徴的な歌声で大ブレイクした原点にして頂点・松浦亜弥、艶のある歌声とヤ◯キー丸出しな個性で後にモーニング娘。にも加入した藤本美貴、そしてサッカー日本代表・柴崎岳のハートを射止め(岳コノヤロウ、幸せにしろよ)、女優としても活躍する真野恵里菜。そんな伝説的なハロプロソロアイドルの系譜を継ぐのが彼女、吉川友だ。

 

そのぶっ飛んだ性格とわがままボディに注目されがちだが、本楽曲では「さすがハロプロのソロアイドル」といった情感のこもった歌唱力に注目してほしい。実は本楽曲は、前作「恋」と2部作になっているのだが私は全然知らなかった(ドン!)。それでも本楽曲を好きになったのだから、曲単体として強度が素晴らしいということだ。

 

これは「喪失」の歌だ。

 

それなのに、なぜだろう。本楽曲を聴いて「温かさ」を感じてしまうのは。アレンジなのか、歌声なのか。なぜ歌詞の世界とは間逆な感情を抱いてしまうのか、ぜひその答えを考えながら聴いてみてほしいと思う。

 

お願いだからカラオケ映像よりも陳腐すぎるPVのことは忘れてほしい。

 

 

前へ/Jewel

すべり落ちる髪
ふと蘇る季節の香り
あの一言も 今なら言えるはず

 

 

ダンス&ボーカルアイドルの急先鋒・Jewel(ジュエル)。もともとは「J☆Dee’Z」というグループ名で2010年より活動していたが、2019年にJewelへ改名。改名後の初のシングルとなったのが本作『前へ』だ。

 

バッキバキのダンスにクールな歌声、部分的に英語を混ぜた歌詞など実にavexっぽい楽曲だがavexではない。Fairiesしかり、Dancing Dollsしかり、東京女子流しかり、ダンス&ボーカルみたいなこと言い出すとどうもドルヲタが引いていってしまうアイドル界隈だが(気持ちは分かる。なんかギャルいもんね)、かっこいい曲はかっこいいのだ。

 

本楽曲のグルーヴの気持ちよさは、トラックはもちろんのこと、メロディでも「踊らせること」に注力している点に理由があると思う。オンタイムで音をはめるところ、シンコペーションで動きをつけるところ、特にサビではその双方を細かく駆使して思わず体が動いてしまう“ノリ”を作り出している。

 

この“ノリ”を視覚的にも表現する緩急のついたダンスは本当に美しい。ダンスは門外漢なので専門的なところは分からないが、素人が見て格好いい、気持ちいいと思わせることが重要なのだ。ピアノの音色が印象的なトラックも、少ない音数の中「水滴」のような音を印象的に使い、緊迫感を持たせながらも踊らせる力も持った独特なものに仕上がっている。

 

歌詞に特筆すべきポイントはない(個人の感想です)。

 

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